こんにちは。学生や応募者の皆さんが企業に求めるものとして良く聞くのが、

「教育・研修に力を入れている」こと。

重視していることがわかります。

（㈱i-plug【2021年卒版】就活生の「企業の魅力と働き方」 に関する意識調査アンケートより）

確かに研修が充実しているのは良いことのように感じます。

私も良く学生から研修制度や教育制度について質問をされるのですが、

いつもモヤっとしてしまいます。

なぜなら多くの学生が注目しているのは

教育研修の「量」であり、「目的」の視点が欠けているように感じるからです。

研修の目的

そもそも社員教育や研修の目的は何でしょうか。

大きく分けて2つあると思っています。

ひとつは

「携わる業務について学び、成長し、戦力として働けるようになるため」です。

これは新入社員教育や入社後間もない方向けの研修にあたります。

「戦力として働けるようになる」ためにかかる時間は業界や業務、

会社によって異なりますが、

企業はできるだけ効率的に、短期間で学べるよう、工夫をします。

皆さんのアルバイト先の飲食店やサービス業は、

短時間のアルバイト勤務でも無理なく仕事内容が覚えられるよう、

徹底的にマニュアル化されているはずです。これも企業努力ですよね。

もうひとつは、

「個人のキャリアを伸ばし、より高レベルの業務に携わってもらうため」です。

これは業務をより専門的に行ったり、部下のマネジメントにあたるうえで、

必要なマインドや知識を習得するためのものです。

（キャリア向け研修なんて言い方もしますね。）

研修内容も今までのキャリアを俯瞰して考えながら専門知識を習得したり、

チームの課題について思いを巡らせ、今後の方向性について考えたり、

専門的で時間をかける必要のあるものが多いのです。

教育研修のこの2つの目的を混同して考えておられる

学生や若い方はとても多いと感じています。

仕事は研修室で行う訳ではありません。

もちろん、社会人としてのマナーやルールを理解することは必要ですが、

刻一刻と変化する現場を理解しながら

成長するための一番の近道は「実際に働いてみる」事です。

新人にとって研修は「長ければ長いほど良い」と感じるかもしれませんが、

長すぎる新人研修は「成長を遅らせる」事につながってしまう恐れがあるのです。

※あくまで一般論です。長い理由がある業界や企業もあります。

　上記に関しては学生だけに問題があるのではなく、

　企業側もHPなどで研修施設や講座の「数」をアピールしていることも

　問題だと感じています。

実際アメリカなどでは入社後に集団で研修を受ける文化はなく、

長期インターンシップにより、業務の流れについて学び、

入社後は簡単なルールやマナーについて短期間の研修を

行うところがほとんどだと聞きます。

これは入社前に社員の携わる業務や領域が

しっかり決まっているからこそできることでもあります。日本の課題ですね。

そう言われても。。。

「そう言われても研修が短いのはイヤだな。。。」

と感じている方も多いと思います。

そんな方は「なぜ研修が短いと嫌なのか」を考えてみてください。

例えば皆さんと話していて多いのが「仕事で失敗するのが嫌だから。」や

「叱責されたくない。」というもの。

皆さんのポイントが上記であるなら重視すべきポイントは研修の量ではなく、

「会社の雰囲気」や「ミスや失敗に寛容な社風」

などの軸かもしれません。

（それでも失敗して怒られることをゼロにはできませんが。）

今まで皆さんの人生のミッションは「勉強・研究」だったと思います。

そんな皆さんにとって仕事や社会は怖い存在かもしれません。

「研修が長い方が安心する」という気持ちもわかります。

でも怖いのは「知らないから」です。

思い切って飛び込み、仕事をして、悩み、苦しみながら得た経験や仲間は

決して研修では得られません。

就活生の皆さんは「教育や研修する目的」を意識しながら、

もう一度ご自身の「価値観や軸」について考えてみてください。

応援しています！

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