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判り易さを追求すること【機械エンジニアトレーナー中﨑です】

2021年9月24日

こんにちは。

機械エンジニアトレーナーの中﨑です。

先月、小学生の息子の夏休みが終わるころ、お恥ずかしながら例年の如く、

夏休みの自由研究について相談を受けました。今回はその時のお話しです。

息子によると「今年の自由研究は決まってる」との事でしたので、今年はドタバタせずに済むと安心していました。

ところが結局夏休みの終わりで「助けて!」との相談となり、結局またか・・・と、

がっかり・・・。

そこで、「テーマは決まっているとか?」と聞くと、「飛行機はなぜ飛ぶのか?」

何とも難しいテーマに愕然としたわけですが…。

テーマがあるなら実行するのみ!

そもそも、重たい飛行機がどうして空を飛ぶことができるのか?この原理を小学生が

どう理解するかがとても難しい部分であると思います。

まず紙飛行機を折って飛ばして、なんで飛んでいるのかな?・・・から、注目し始め、

翼の広さや角度をいろいろ変えて飛ばす事で飛び方や飛行距離、速さの違いに気が付き、

飛行機が飛ぶためには翼の形が大切である事を気付かせるようにしました。

次に、パッとはなしただけで飛ぶか飛ばないかを試させ、押してあげると飛ぶことを認識。

翼が空気を受け流して飛んでいるイメージを掴ませました。

そこで、飛行機のしくみを調べさせ、上手く飛ぶために推進力が必要な事を気付かせ

その風の力を翼がうまく受け流し、飛行することに辿りつかせました。

飛行機が飛ぶ原理を知る過程で必ず出てくるのが「ベルヌーイの定理」です。

この原理を理解すると、翼の上面と下面での空気の流速が変化し、それに伴い気圧も変化することが判るのですが、このあたりの理解が小学生にはとても困難です。 

そこで、実際の飛行機の翼の断面を見せて説明しました。が、当然小学生には理解できなかったので、薄い紙を両手で持って下に垂らして上から強く息を吹き掛け、風を当てた方と当ててない方のどちらに紙が動くかという実験をさせて、想像と反対に動いたことで今まで知らなかった事実を驚きながら理解していったようでした。 

これと同じ原理で翼が浮く原理をやっと理解させることができました。

そして、実際の翼を真似た模型に風を当てて翼が上がる事を見せ、飛行機の飛ぶ原理を何とか理解させるに至りました。

       

      翼の模型(平常時)           翼の模型(風を当てる)     

息子の中ではまだまだたくさんの謎があったようですが、

「それは、大きくなれば少しずつわかるので今からしっかり勉強しておきなさい!」と、

言う半ば強引な結果で息子との夏休みの課題対策を終えました。

今回、子供の夏休みの宿題を通じて、原理や法則を理解させることの難しさを改めて痛感

しました。

この経験をヒントに、より判り易く伝えるための工夫をもって、皆さんに機械工学の知識をお伝えしたいと思います。