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◆スキルアップ・ニュースVol.013|水素社会がやってくる!?

投稿者:R. Gohara |投稿日時: 2017年07月20日

 

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こんにちは。

スキルアップニュース編集室の郷原です。

今回は新たなエネルギーとして注目されている「水素」にスポットを当てお伝えします。

学校の授業の実験でおなじみの水素。ところで皆さんは水素ってどういうものか、ご存知ですか?

 

 

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「水兵リーベー僕の船・・・」 こんな語呂合わせで覚えた元素の周期表。

原子番号1番の水素は水素原子2つが結合したもの(H2)で、あらゆる物質の中で最も小さく軽い物質です。

どのくらい小さいかというと、ペットボトルやガラスビンなども簡単に通過してしまうほど。

常温では無味無臭無色で、宇宙で最初に作られた物質でもあります。

 

宇宙全体で一番多く存在する物質も水素。

拡散性が高いため他の物質と結びついて化合物として使われることがこれまで一般的で、酸素と結びついて水になるのはご存じですね。

 

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そんな水素が今、実用エネルギーとして利用され始めています。

水素は石油と違い、人工的に作ることが可能。風力、水力、電気とも違い、天候や環境に左右されず、貯蔵や輸送が容易などたくさんのメリットがあるからです。

 

ところで水素エネルギーを使ったもので、一番古いものは何だかご存知ですか。

なんと1807年、世界最初の水素ガスを利用した自動車で、スイスの発明家フランシス・アイザック・ディ・ライバスにより開発されました。ガソリン自動車が量産化される100年近く前のことです。

 

ちなみに世界初の水素自動車の量産化は、1890年代に現在のメルセデス・ベンツの創業者 カール・ベンツによって行われました。

ただこの時代は水素の製造に莫大なコストがかかったため、主流にはなりませんでした。

あれから約120年後の2014年、トヨタ自動車がついに水素自動車の量産を発表。

燃料電池自動車=MIRAI(ミライ)です。

 

水素と酸素の化学反応から発電した電気エネルギーを使ってモーターを回し、発電する自動車で大気汚染の原因となる有害物質を発生させない「究極のエコカー」として話題に。当社のエンジニアもこのプロジェクトに参加していました。

 

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夢が広がる水素エネルギーですが、もちろん課題もあります。

製造や輸送のコストが高いことも問題ですが、一番の問題は水素が高温で燃える特性です。

学校の実験を覚えているかと思いますが、水素は発火、爆発します。

 

そこで爆発のリスクを減らすため次のような貯蔵、輸送方法が検討されています。

 

・パイプライン

・圧縮水素

・液化水素

OCH

 

パイプラインについてはコストがかさみ、圧縮水素は保安法の観点から圧縮に上限があったり、圧縮するための設備などを考えると普及は容易ではありません。

同様に液化水素もマイナス253度まで冷やすため、設備や移動中の気化などデメリットもあります。

一方、OCH法は水素を別の触媒と反応させて別の物質に変換し、安定化させて運ぶ方法で、上記の3つよりもリスクが少ないとされています。

現在製造のしやすさや水素の取り込みやすさから、トルエンを触媒とした実験や研究が進んでおり実用化が待たれています。

 

今後、自動車だけでなく、鉄道や飛行機、大型商業ビルなどに使われる可能性もあり、そのためには大規模な水素発電所の建設が急務。

そこで2013年より経済産業省が中心となって民間企業、学識研究者と共に「水素・燃料電池戦略協議会」が設立され、「水素・燃料電池戦略ロードマップ」がまとめられました。

それによると2030年ごろまでに事業用の水素発電が本格的に導入されるそうです。

 

問題は山積していますが、未来に資源を残し、美しい地球を維持するためにも、水素エネルギーの普及は不可欠です。

当社エンジニアの活躍する領域も今後ますます増えていきそうですね!

 

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<参考>

▼水素エネルギーナビ 水素社会のビジョン

http://hydrogen-navi.jp/significance/vision.html

 

▼産経ニュース 松本真由美の環境・エネルギーダイアリー

http://www.sankei.com/premium/news/170611/prm1706110023-n1.html

 

▼水素・燃料電池実証プロジェクト

http://www.jari.or.jp/Portals/0/jhfc/beginner/about_fcv/

 

 

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