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2023.07.20更新

アスリート社員「上里琢文が行く!」~ ISO13485取得、次の30年を目指して~

弊社アスリート社員/上里琢文選手(ビーチサッカー日本代表)の「上里琢文が行く!」

このシリーズ企画は、上里選手が弊社の部署や社員などにインタビューを実施し、アスリートならではの視点をふまえ、皆さまに弊社のことをより知っていただく為のものになります。

今回は、「ISO13485」の認証を受けたことから、品質保証室 室長 兼 医療機器事業PJ の林 雄一郎さんにインタビューをさせていただきました。(2023年6月)お話しいただいた内容は・・・

 

品質マネジメントシステム(QMS)とISO規格

ISO規格を取得することで企業の社会的信用が担保される

次の30年に向け、医療機器事業もセントラルの主力事業に!

 

以上の3テーマとなります!

 

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現在、日本は65歳以上の高齢者が3人に1人、75歳以上が5人に1人の割合になる超高齢化社会を迎えています。(2025年問題)それにより労働人口の減少や医療費の増大が社会問題となっている中で、未病・予防・治療・介護などにおける医療費のコストダウンや医療・介護に関わる人手不足の解消のために医療機器の役割が大きくクローズアップされています。

セントラルエンジニアリングでは、2021年8月に医療機器事業プロジェクトが立ち上がり、医療機器開発事業への参入に向けてスタート。参入への障壁が大きい医療機器分野にて、医療機器の製造販売業者(製販業者)からの依頼による医療機器の内部ユニットを開発(設計・製造)業務を請け負ってきました。

2022年 4月 本社(新横浜エンジニアリングセンター)が医療機器製造業登録を取得。
2023年 3月 横浜工場が医療機器製造業登録を取得。
2023年 4月 本社(新横浜エンジニアリングセンター)が「ISO13485」の認証を取得


品質マネジメントシステム(QMS)とISO規格


上里:「林さん、本日はよろしくお願い致します。」

林:「こちらこそお願い致します。」

上里:「今回取得したISO13485について詳しく伺う前に、まずは林さんの業務内容について教えてください。」

林:「はい、私は現在、品質保証室の室長として全社的な品質マネジメントシステムの運用を管理して、人やモノ、サービスの提供においての品質リスクを低減するための業務をしています。また医療機器事業プロジェクトのメンバーとして、今回の『ISO13485』の取得には深く携わっています。」

上里:「品質マネジメントシステムとはどういったものなのでしょうか?」

林:「品質マネジメントシステム=QMS(Quality Management System)とは、『品質に関して組織を指揮し、管理するためのマネジメントシステム』と定義されています。顧客に対して提供する製品やサービスの品質について、継続して改善していくための仕組みです。ここでいう品質とは、優れた製品や素晴らしいサービスのことではありません。品質とは、「顧客の期待するレベル」のことです。製品であれば不良品がないこと、サービスであれば約束通りのサービスレベルを提供するといった、顧客が当然期待することです。顧客が求める品質を守り、顧客満足度の向上を目的としています。」

 

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上里:「さらなる高性能な製品を目指すことも大切ですが、既存の製品やサービスがいい加減なものであってはならない。だから品質リスクは低減されなければならないわけですね。」

林:「その通りです。またQMSにはガイドラインとなる規格があります。国際標準化機構(ISO)が規定している、品質に関する規格『ISO9001』は、当社で20年近く認証継続しています。これは世の中の様々な分野のサービスや製品に当てはめることができますので、至って標準的なものになります。」

 


ISO規格を取得することで企業の社会的信用が担保される

上里:「今回取得したのは『ISO13485』ということですが、これはどういった認証なのでしょうか?」

林:「『ISO13485』は、『ISO9001』をベースに、医療機器の品質、有効性及び安全性を確保するのに必要な要求事項が追加されているもので、『医療機器に特化した品質マネジメントシステム』規格です。医療機器は直接、命に関わるものですから、『ISO13485』は『ISO9001』と比較すると規格要求事項などがよりシビアなものとなります。また監査に関しても、医療機器の場合は厚生労働省が薬事認可の承認(認証)機関であり、審査に関与します。例えば他の認証機関が審査をしているとして、その審査自体が正しく行われているのか、厚労省が確認する。そんな立て付けになっているので、認証機関も安易な監査をするわけにはいかず、すごく厳しくなります。」

上里:「この認証を受けることで、どんなメリットがあるのでしょうか?」

林:「対外的には、医療機器業界の顧客からの信用度(安心・満足・信頼感)が高まり、特に海外へ輸出している企業などには優位性が高くなります。認証保持していることが取引の絶対条件になることもあります。また社内的には、ベースになっている『ISO9001』と同様に、当社QMSに従い運用管理することで部門毎に基本的なプロセスが確立され、継続的改善を図ることで日常業務のムリ・ムダ・ムラが解消され、業務効率UPに繋がります。」

上里:「内部がしっかり改善される仕組みになっているから、外部からの信頼も得られるわけですね。」

 

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林:「そうです。ISO規格を取得することで企業の社会的信用が担保されるわけですが、守るべきルール(要求事項)を遵守できる企業が認証を受けることとなり、当然認証された企業にはグローバルスタンダードの規格の要求事項など、最低限満たさなければいけない様々な条件が発生します。」

上里:「具体的にはどういったことが要求されるのですか?」

林:「多項目ありますが、ほんとうにざっくりというのであれば『手順書やプロセスフローなど、決められたルールに従って行動しましょう』かつ『その行動を記録に残すことで追跡可能となり、後に顧客などに当時何をしたのか説明できる根拠を担保しましょう』ということが基本セットになります。ここでの記録は顧客などの知見がある人にも一目置かれるような、きちんとしたものでなければなりません。」

上里:「手順に従った行動と記録ですか。手順書は普段の業務でどんな動きをしているのかを振り返って作成するのでしょうから、業務改善しつつも、概ねいつも通りに業務を進めればいいということになりますが、記録を都度残すのはつい後回しにしたくなってしまいそうです。」

林:「そのようになりがちなのですが、実はその記録は非常に重要です。例えば、製品を出荷してから1年2年経ってからトラブルが起きた際に、製造・出荷時に、誰がいつどんな作業や検査をしたのかを追跡(調査)する必要が出てきます。その際にきちんとした記録が残っていないと、出荷した我々にどの程度の落ち度があるのか分からず、ひょっとしたら相手側の使用方法に何かおかしな点があったのかもしれないところでも、記録が残っていないと当社として優位に交渉することも出来なくなってしまうわけです。」

 

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上里:「重大なトラブルの場合にはなおさら重要ですね。」

林: 「内部的にも、製造工程をはっきり決めて、その工程内で責任を持って記録するところまでやっておけば、どこかで不良が発覚した場合でも、どの工程が問題だったのか調べるロス工数、無駄を減らすことができます。ですから、社内外に関わらず記録をとることで生産性を高めることに繋がります。」

上里:「その記録を林さんの部署でチェックするわけですか?」

林:「基本的にISOのルールで自社内での内部監査が義務付けられています。監査員が各被監査部門のほうに質疑応答し、簡易的なサンプリングで無作為に選んだ記録を確認します。業務の手順がうまく出来ていない場合は、仕組みのどこが至らなかったのか是正処置、予防処置をしてもらって、再発する可能性を低くしてもらう。その作業の繰り返しですね。」

上里:「PDCAサイクルを回すような感じですね。」

林:「まさにそうです。また監査のポイントは2点あります。1つはまずは規格の要求事項を満たしているかどうかという視点。もう1つは有効性の評価といって、その要求事項を各会社組織のやり方に置き換えるわけですが、千差万別のそれぞれの組織にフィットした、効率的な手順書になっているのか。といったところを見ます。」

上里:「ISO13485の認証を受けるにあたって、苦労されたことなどはありますか?」

林:「そうですね。正直なところ、以前より当社で認証継続している『ISO9001』の運用レベルとバランスを保つために『ISO13485』と共通ドキュメントの作成については苦労しました。幸い、私は『ISO13485』認証取得に対する経験則は充分にありましたし、関係者の尽力もあり、認証審査では問題なく対処することができ、是正対応に時間を要することなく概ね順調に取得するに至りました。」

上里:「お見事です。」

 

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次の30年に向け、医療機器事業もセントラルの主力事業に

上里:「行政への製造業登録が済み、医療機器の一部分だけでなく完成品までの設計製造が可能となり、今回(本社内)横浜エンジニアリングセンターではISO13485認証を取得しました。次はどういう動きになるのでしょうか?」

林:「医療機器事業計画の通り、着実に社内体制は整いつつある状況ですが、まだ医療機器事業の拡充に向けてスタートラインに立つことが出来た段階です。今回認証されたのは、本社機能の主に『設計・開発』に絞られたものになりますので、最終的には『製造』ですね。横浜工場も含めた拡張審査を受けることを来年に想定しています。これが認証されれば、いよいよ医療機器業界に本格参入ということになりますので、当社の強みを改めて分析し、他社との差別化を明確にする必要もありますので、市場のリサーチを含め、営業展開が鍵になります。」

上里:「参入条件が整ったからといっても、急に取引が増えるわけではないのですね。理想な展開、構想ではどういったものを想定しているのでしょうか?」

林:「設計・開発の受託に留まらず、部分的な製造受託の実績を積み重ねつつ、ゆくゆくは当社の主力事業としての一端を担えればと思います。通常、医療機器のA.製造業者は B.製造販売業者からの発注を受け、製品をB.製造販売業者に納入します。B.製造販売業者は製品の安全性を確認した後、注文した顧客 C.販売業者へ出荷します。この流れを、我々が直接 顧客C.販売業者へ納める役割(市場への出荷可否判定含む)を担えるまでの受注を頂けるような展望を描いています。それには契約や条件など、超えるべきハードルは高くなりますが、その分メーカーとしての社会的信用、ステータスを得ることができます。」

 

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上里:「挑むべき壁は高そうですね。そのためには具体的な行動としては何をしていけばいいのでしょうか?現在の課題などを教えてください。」

林:「今後の医療機器事業の拡充を見据えた場合、まずはISO13485に基づく継続的改善を前提としたものづくりを、本社(設計・開発)のみならず工場(製造)においても展開する必要があります。認証取得可能な状況を整えつつ、徐々に市場からの信用を得られる品質保証体制を実現したいわけですね。そこでは今迄のISO9001の運用レベルよりも確実に高いレベルが求められます。ものづくりに関わるエンジニア社員の意識改革、工場の作業環境然り、人材育成も必要不可欠であり、社員全員が過去のルールに固執することなく、当社が目指す未来に向けたセントラル品質が確立できるかどうかが現実的な課題となります。」

上里:「さらなるステップアップを目指すのは、ワクワクしますね。」

林:「昨年は創設60周年(※2023年6月現在)ということでした。30年、60年とフェイズも変化してきたわけですが、次の30年に向けて医療機器事業もセントラルの主力事業になれると私は期待しています。」

上里:「林さん、本日はありがとうございました。」

林:「ありがとうございました。」


※林 雄一郎さんの発言内容は、記事化するにあたり、平易な表現に編集をしており、実際に発言した言葉使いとは異なる点があります。ご了承ください。(ご本人に記事内容、表現の承諾は得ています)

 

 

【関連記事】

「医療機器製造業登録が完了!主力事業の一つに!」
https://www.central-engineering.jp/recruit/blog/iryo20220620-0

 

 

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林 雄一郎

 

北海道札幌市生まれ 現在は東京都在住

2021年に中途入社。

20年以上に渡り、ISO13485&9001&14001のマネジメントシステム運用管理をはじめ、前職では医療機器の品質保証・薬事の実務を経て国内品質業務運営責任者として管理業務全般に携わる。セントラルエンジニアリングが新たなビジネス展開として医療機器事業に参入する旨を知り、今まで培ってきた品質保証・薬事に関する知見をより活かせる環境として相応しいと考え、セントラルエンジニアリングへの転職を決意。現在、品質保証室の室長として全社的な品質向上の実現に向けて奮闘中。

 

 

 

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上里 琢文(うえさと たくみ)

ー経歴ー
沖縄県宮古島出身。小学校1年生からサッカーを始める。学生時代に、県大会での優勝経験や沖縄県選抜チームに選出される。その活躍が認められ、京都サンガFCにスカウトを受けプロへ転向。その後、FC琉球(沖縄)→SVアラーハイリゲン(オーストリア)→JPVマリキナFC(フィリピン)などのチームを経験し、ビーチサッカーに転向(現 TOKYO VERD BS 所属)。その後、ビーチサッカー日本代表に選出され、FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021で史上初の準優勝を果たし銀メダル獲得。2022年より弊社アスリート社員として入社し、マーケティング部に配属。2023年ビーチサッカー日本代表(背番号5)として選出される。現在、社会人×アスリートとして活躍中。


Instagram:https://www.instagram.com/takumi_uesato/
Twitter  :https://twitter.com/t_uesato

 

 


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